斗の湯(横須賀市佐野町)斗の湯(横須賀市佐野町)かつて横須賀市内には銭湯が80軒ほどあったというが、現在はその4分の1。市内に点在している格好だが、横須賀中央駅と衣笠駅の中間にある佐野町には3軒の銭湯が残っている。すぐ目と鼻の先に「佐野天然温泉のぼり雲」という日帰り温泉施設があることを考えれば、大健闘だといえるだろう。そのうち常盤湯は以前ご紹介したから(→記事)、今回は斗の湯(とうのゆ)。名前の由来を聞いたら「おじいさんが隣町の不入斗の出身で、そこから一字取ったんじゃないか」とのこと。

斗の湯(横須賀市佐野町)三崎街道(県道26号線)に面して建つが、まず堪能すべきはそのクラシカルな佇まい。入口では福助のタイル絵が、番台ではおじいさんが出迎えてくれた(正確に言うと男性側の脱衣所のベンチで)。この建物は昭和12年築だというが、室内にそこまでの年季を感じさせないのは手入れが良いからか。脱衣所はいたってシンプルで、壁側の半分がロッカー、もう半分が常連さんの洗面用具を仕舞う棚。ほかには体重計とジュースのショーケース。籠もいくつか積み重なっている。

浴室は女湯との間仕切り壁側にカランが6つ。その上には海辺の良くわからない景色を描いたタイル絵が3枚並んでおり、大竹画工場の落款が印刷されている。反対側の壁際にはカランが5つ。中央には島式カラン(しかも片側のみ)が4つあるが、ここだけは固定式シャワーが付いていない。奥には湯船があって、深湯のジャグジーと浅湯のバイブラ湯。目の高さにあるのは金魚や鯉を描いたタイル絵で、九谷鈴栄堂の作。その上には富士山を描いたペンキ絵。清水あたりから眺めた景色なのか、随分と色使いがハッキリしている。小さな銭湯なのにビジュアル面では申し分なし。湯船のお湯はやや熱めで(カランのお湯も熱い)、昔ながらの銭湯の雰囲気やイメージそのままだ。

斗の湯
住所/横須賀市佐野町1-7 [地図
電話/046-851-0983
交通/京急本線県立大学駅より徒歩15分
     JR横須賀線衣笠駅より徒歩19分
     京浜急行横須賀中央駅よりバス「佐野四丁目」停下車
     横須賀中央駅より県道26号線(三崎街道)で衣笠方面へ
料金/大人450円、中人180円、小人80円
時間/15:40〜22:00、毎週火曜日定休

(追記-2016/2/21)
Google ストリートビューで確認したところ、撮影された昨年6月の時点ですでに廃業しており、更地になっていました。