不二の湯(茅ヶ崎市今宿)銭湯組合に未加入の銭湯が何軒あるのか知らないが、神奈川県でたぶん唯一なのが茅ヶ崎市の不二の湯である。市街地の西方約3kmの住宅地にあり、屋号や敷地の状況からして、隣接する不二ブロックという会社が経営しているらしい。通りに面して自販機が並んでおり、銭湯の建物はその裏手に位置する。営業中は玄関に長暖簾が出ているが、奥まっているぶん通りからは目立たず、したがってこの銭湯の存在は茅ヶ崎市民にもあまり知られていないのではないだろうか。組合未加入であることに加え、訪れる銭湯好きも少ないようで、ネットでの情報も乏しい。いつ開いているのかわからないし、何度か空振りしたが、今日ようやく訪れることができた。

暖簾をくぐると正面にクリスマスツリーが飾ってあった。色とりどりの電球が瞬き、よくわからないメロディが鳴り響いていた。そして「8/1から値上げ 大人450円」という紙切れが貼ってあった。組合未加入ではあるが、料金はきっちり取るようだ。番台にはおじいさん。そのわきに茶色に変色した銭湯組合の料金表が掲示され、金額のところだけ上から紙が貼り付けてある。脱衣所にはソファや旧式のマッサージ椅子、どう使うのかよくわからない健康器具らしきものが置いてある。アイスクリーム販売用のショーケースで冷やされているのは、缶ビール数本。脱いだ服は業務用のスチールロッカーか、丸籠に入れる。片隅のスチール棚に並んでいるのは常連さんの洗面用具。物が置いてある1つ1つが隣の会社からのお下がりじゃないのか?という気もする。唯一の新品として大型のテレビが据え付けられているが、電源は入っていない。脱衣所は静か過ぎて落ち着かなかった。

浴室は蛍光灯の数としてはじゅうぶんなはずなのに、なぜか薄暗い。カランは間仕切壁側に7つ、外壁側に6つ、真ん中に島式で6つずつ。固定式シャワーは外壁側の3つに設けられているのみで、島のカランにいたっては鏡すらもない。カランから出るお湯はびっくりするくらいの熱湯で、お湯1に対して水3でちょうど良いくらい。湯船は茶系の大きなタイル仕上げ。2帖弱と4帖弱に区切られており、いずれにもジャグジーなどの設備はない。まず2帖弱の深いほうの湯船に入ってみるが、じんわりと熱い。しばらくして慣れたところで、今度は温度が極端に上がり始めたので慌てて退散。もう一方の湯船は適温。室内にはペンキ絵やタイル絵などの装飾は一切なく、なんだか殺風景な雰囲気だ。

先客が1人、そして僕と入れ替わりで来店した客が1人。住宅地という場所柄、地元客なのは明らかだ。確実に訪れる客だけを相手に商売することを考えれば、営業時間は短くても良いのだろう。中に入ってみればローカル銭湯特有の長閑さだったけど、ここを訪れるまでが苦労した。番台のおじいさんに聞いたところ営業時間などは下記の通りなので、銭湯好きで不二の湯の存在が気になっている方はぜひ訪れてみてほしい。

不二の湯
住所/茅ヶ崎市今宿270 [地図]
電話/0467-82-6070
交通/JR東海道線茅ヶ崎駅よりバス8分「県住入口」停徒歩1分
     ↑はバスの便数が少ないので、別の系統で「今宿」停下車徒歩5分
     国道1号線「今宿」交差点より北に約400m
料金/大人450円、中人180円、小人80円
時間/16:00〜20:00、毎週月曜日定休