桜湯(静岡県葵区駒形通)静岡県庁より南西に伸びる駒形通りは、アーケードのある古きよき時代の商店街といった雰囲気。その一画に桜湯はある。いまでこそ3階建てビルの1階で営業しているが(2階は系列のサウナ店)、開業は昭和2年。番台に座っていたのは87歳というおじいさんで、もう60年はこの仕事をしているのだという。

脱衣所は壁際にロッカーがあり、テーブルと椅子があるほかは、体重計と旧式マッサージチェアが2台。天井には大きなファンが設置されていた。ジュースのショーケースにガラナが置いてあるのは珍しいが、静岡県では愛飲されているのだろうか。浴室は間仕切壁側からカランが5、3-3、7という配列。

湯船は2つあり、深めのバイブラ湯と浅めのジャグジー。いずれも2帖ほどの大きさだ。朝鮮人参や実母散など日替わりで薬湯を実施しているようだが、訪れた日はよもぎの入浴剤。意外に普通だったのは、運が悪かったとしか言いようがない。お湯は湯船もカランもぬるめで、シャワーにいたっては冷たいくらいの温度。ペンキ絵などの装飾はなく、床や壁は黄緑のタイル張りで、上部は白ペンキ仕上げ。地方都市の銭湯ではこんな感じが一般的か。平日の昼間で4〜5人の客はまあまあだと思うが、いつ湯船につかったの?というくらい回転が早い。

再び番台のおじいさんに話を聞くと、昭和20〜30年代のピーク時と比べて客は3分の1程度だという。むかしから近所の客は意外と少なく、商店主などはあえて遠くの銭湯に行くのだとか。言わば見栄っ張りな気質なのだろう。逆に遠くから来ていた客は、高齢化で姿を見せなくなってしまったそうだ。静岡市ではピーク時に35軒あった銭湯が、現在では3軒を数えるのみ。静岡県全体では17軒になってしまったそうだ。時代の流れといえば仕方ないが、おじいさんが頑張っている銭湯もあることを静岡県の皆さんに知ってほしいし、機会があれば銭湯を訪れてみてほしい。

桜湯
住所/静岡市葵区駒形通3-2-1 [地図
電話/054-252-1241
交通/JR東海道本線静岡駅北口よりバス
     「駒形二丁目」または「駒形三丁目」停徒歩2分
料金/大人360円、中人140円、小人70円
時間/14:00〜24:30、毎週火曜日定休