いこいの湯多摩境店(町田市小山ヶ丘)いこいの湯がある町田市小山ヶ丘は多摩ニュータウンの西部に位置し、駅から続く通りには郊外型の大型店が多数進出している。車の生活圏であるためか、週末の昼間は通りも混み合うのだろうが、平日の夜はわりと閑散とした印象を受ける。いこいの湯はそんな一画にあり、平成16年9月に開店した。運営しているのは東電不動産で、同社では5店舗を展開するが、そのうち3店舗は極楽湯チェーンのFC店。「いこいの湯」の看板を掲げているのは、ここ多摩境店と以前ご紹介した藤沢店→記事)のみだが、その藤沢店も3月4日より湯乃市傘下の湘南ライフタウン店として再スタートを切った。

和風御殿の外観で、背後には雑木林の茂みを控えるのどかな立地。庭園風のアプローチの先に玄関がある。フロントではバーコードつきのリストバンドを渡されるので、館内での飲食は退館時に精算する。浴室と食事処は1階に、別途料金の岩盤浴と畳18帖の休憩室は2階にある。どっぷり日が暮れてから訪れたので気づかなかったが、食事処からはテラスに出られるというし、休憩室からは丹沢山系が見渡せるという。館内も純和風の雰囲気で、日帰り温泉施設にしては上々の空間だ。ちなみに設計は温浴施設を多数手がけるアクアジャパン東京。といったわけで、ひと通り説明したあとは、肝心の温泉を。

たいていの温浴施設では内風呂を経て露天風呂へと通じているが、この施設では脱衣所を出たところのスペースの、右に内風呂、左に露天風呂がある。ガラス越しに隣り合っているのだが、直接の行き来は不可能なつくりとなっている。内風呂にはジャグジーや電気風呂などが1つにまとまった湯船、ぬるめに温度設定された人工炭酸泉、2日で替わるイベント湯(この日は緑色の酵素風呂だった)などがあり、いずれも井戸水を使用している。サウナは2種類あって、一般的なドライサウナのほかに、韓国産の天日干しよもぎの成分を抽出したスチームサウナがある。サウナ室には瓦屋根がかかっており、建物の中にさらに2つの建物があるかのような錯覚を受ける。なかなか凝ったつくりだ。

露天風呂は薄い茶褐色の温泉を使用している。「仙水の湯」と名付けられた源泉は、かつて里人の病苦を取り除いたという仙人の湧水に由来する。それは「小町井戸」と呼ばれ、小野小町もこの水で病を癒したのだとか。とはいっても仙水の湯は地下1,700mの大深度掘削だが、「自遊人」2008年11月号では温泉評論家の郡司勇さんも、関東の「イチオシ」日帰り湯として高評価で推薦している(All Aboutにもレポートあり)。4つある湯船のうち、岩風呂の2つは源泉かけ流しで、あつい・ぬるいを区別している。気温の低いときのみ加温しているというから、基本的には48.6℃の源泉をそのまま使用しているのだろう。檜風呂もあるが、檜のにおいと源泉のかすかな鉱物臭とがぶつかり合ってしまい、もったいない気がする。ほかに、10cmほどお湯を張った寝湯もある。

露天風呂から眺める景色は、すぐ間近に迫った雑木林。もとからあった丘の法面を景観に取り入れることで、自然との調和を図っている。四季の移ろいをありのままに満喫できるのではないだろうか。まさに地の利だといえよう。スーパー銭湯的な施設のわりには温泉の泉質や使い方、空間設計などの面で満足度の高い。郊外型施設として車で30分圏内には競合店舗がひしめいているが、そのなかでも一歩抜きん出た施設であるといえる。

いこいの湯 多摩境店
源泉/仙水の湯(ナトリウム−塩化物泉)
住所/東京都町田市小山ヶ丘1-11-5 [地図
電話/042-797-4126
交通/京王線多摩境駅より徒歩20分
     多摩境駅よりバス3分「多摩境通り北」停徒歩5分
     町田街道(都道47号線)小山交差点より尾根幹線道路〜多摩境通り
     ※無料駐車場217台分あり
料金/(平日)大人700円、小学生以下400円
     (休日)大人900円、小学生以下500円
     岩盤浴350円(30分、浴衣・マット付き)
     ※小学生以下は3歳以上。岩盤浴は小学生以下の利用不可
時間/9:00〜25:00、偶数月の第1火曜日定休

東電不動産が運営する温浴施設のうち、下記3店舗は湯乃市グループに。
いこいの湯藤沢店→湯乃市湘南ライフタウン店(2010/3/4〜)
極楽湯入間店→湯乃市入間店(2010/4/2〜)
極楽湯鎌ヶ谷店→湯乃市鎌ヶ谷店(2010/4/3〜)