極楽湯(横浜市港南区芹が谷)極楽湯は「店舗数日本一の風呂屋」を自称するスーパー銭湯チェーンで、実際に直営21店舗、FC26店舗の計47店舗を展開する国内最大手。現在は60店舗を目指して展開を進めているほか、香港の投資会社などと合弁会社を設立し、今後は中国での温浴事業展開に乗り出すという。神奈川県では2005年12月に開店した直営の横浜芹が谷店のみ。国道1号線から500mほど入ったバス通りに面しているが、環状2号(県道17号線)や横横道路別所ICなどにも近く、住宅地にありながらも意外とアクセスは良い。

広大な駐車場を備えた典型的な郊外型施設だが、和風庭園調のアプローチや夕暮れ時に館内から漏れるほのかな照明など、落ち着いた雰囲気がいい。と思ったら、玄関先では野菜や果物などを並べて販売していたり雑然とした感じも。券売機でチケットを購入したらフロントへ。ここで貰うリストバンドは館内での飲食やマッサージの精算に使用し、その料金は退館時に支払う。フロントの先には食事処や整体などが左右にある。奥まったところには予約制の貸座敷もあるが、平日は「うたた寝処」として開放しているようだ。

長い廊下は途中で右手に折れ曲がり、男性脱衣所にはさらに廊下が続く。脱衣所を建物の奥に配置したため、やたらと動線が長くなってしまったようだ。脱衣所は100円返却式ロッカー(下足箱も同様)で、リストバンドとは関係なく自由に選ぶ。ジャケットを収容できる縦長タイプもある。また、男性脱衣所のみ日焼けマシーン(10分500円)を設置している。

浴室は男女が対称のつくりで、真ん中に設けられたのは温泉を使用した「自然の湯」という湯船。地下1,500mから湧出した真っ黒の温泉で、透明度はほとんどなく、手すりにつかまらないと段差がわかりにくい。すべすべの肌ざわりで、石鹸を洗い流した直後などはぬるぬる感で包まれた感覚も。すべての湯船が循環式だが、この湯船では時折りちょろちょろとお湯が足されていく。ほかに温泉使用ではないが、ジャグジー2ヶ所、電気風呂、水風呂もある。高温サウナは露天風呂側の2方に窓が設けられ、植栽の隙間から外の様子をうかがうことができる。

露天風呂は左手に岩風呂2つ、奥に檜風呂、右手に寝湯と壺風呂3つを配している。岩風呂は上段が小さくて熱め、下段が大きくてぬるめ。スーパー銭湯系店舗の熱めというのはたかが知れいているが、ここではしっかり熱く、ほかの湯船とはっきり差別化を図っていることに好感が持てる。以前はかけ流しで提供していたが、やめてしまったようだ。檜風呂はぬる湯をうたっているが、もっとぬるくても良いかもしれない。逆に改善すべきなのは寝湯で、うっすらとしかお湯が張っていないので寒くて仕方がない。夏なら気持ち良さそうだが。温泉使用ではないが、水素風呂という木づくり小判型の湯船もあった。お湯に含まれた水素は健康増進・老化抑制に効果ありというが、個性ある黒湯に比べれば人気が薄い。入浴剤を使用したイベント湯、あるいは炭酸風呂だったら良いのに…。

過去に数回訪れたことがあるのだが、今回は土曜日。子供づれを中心に多くの人で賑わっていた。うるさく騒ぐ子供はいなかったけど、ネットの口コミで指摘している人が多いことも事実。1つ1つの湯船は決して大きくはないし、黒湯なので足元が見えないし、それでなくても足を屈めながらの入浴になってしまうし。なぜこんなに人気施設なのかと考えてみると、カップル割引やシルバーデー、レディースデーなど店舗独自のサービスに力を入れているからか。会員を対象としたスロットマシンによる特典も大人気。退館時には次回利用できる250円引きの割引券を貰ったが、また行ってみようかなという気にもなるし。これらはホームページでは告知されていないが、確実にリピーターを増やす要因になっているのかな、と思う。

極楽湯 横浜芹が谷店
源泉/芹が谷温泉(ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩泉)
住所/横浜市港南区芹が谷5-54-8 [地図
電話/045-820-4126
交通/JR東戸塚駅よりバス8分「芹が谷団地前」停徒歩1分(上大岡駅からも路線あり)
     JR東戸塚駅より無料送迎バスあり
     国道1号線「平戸」交差点より芹が谷・別所方面に約500m
     ※無料駐車場200台分あり
料金/(平日)大人800円、小人400円
     (休日)大人950円、小人500円
     ※小人は4歳〜小学生。会員料金の設定あり
時間/9:00〜翌2:00、年中無休