常楽湯(鎌倉市台)常楽湯(鎌倉市台)常楽湯(鎌倉市台)

大船駅東口より南にまっすぐ歩き、横須賀線の踏切とガードを越えてなおもまっすぐ。突き当たりを左折してしばらく歩くと、左手に常楽湯の煙突が見えてくる。交通量の多いバス通り(県道302号線)より一本裏に入った路地に面し、住宅地のため夜は薄暗く、静まり返っている。たいていの銭湯はお湯を沸かす釜場が裏手にあるのだが、常楽湯は建物の真横にあり、廃材が山になって積んである。民家のような外観で、屋号は暖簾の裏に掲げられているが、崩し字を知らないと常楽湯とは読めない。地元住民御用達といった雰囲気なので、いまさら世間に向けて名乗る必要はないのかもしれない。

番台式のクラシカルな銭湯だが、入口が自動ドアであることにまず驚き、そしてトイレが汲み取り式であることにまた驚いた。脱衣所は壁半分にロッカーがしつらえてあるが、鍵のない箇所が多い。そのためか脱衣籠が日常的に使われているようだ。体重計やジュースのショーケース、テーブル、ベンチが設置してあり、鉢植えの花がきれいに飾られている。番台のおばちゃんはテレビを見ながら客とおしゃべりしていた。

常楽湯(鎌倉市台)常楽湯(鎌倉市台)

浴室は固定式シャワーのついたカランが左右に5ずつ、真ん中に島式でシャワーなしのカランが4-4といった配列。奥に湯船があり、約2帖の深い浴槽と、約3帖の浅い浴槽に区切られている。どちらもジャグジーが1ヶ所ずつ設けられている。湯船は水色のタイル張りで、浅いほうの浴槽の底には鯉が泳ぐ姿が描かれている。鯉は「お客来い来い」に通じ、タイル絵などの題材になっていることが多いが、湯船の底に描かれているのを見るのは初めて。そういえば玄関先には福助のタイル絵、脱衣所には招き猫や大黒様が置物があったが、銭湯は縁起物で験を担ぐことが多い。

女湯との間仕切壁と湯船の真横には、モザイクタイルで西洋の湖畔っぽい風景が描かれている。そして背景のペンキ絵は、河口湖あたりと思われる富士山。湖にはヨットが浮かんでいる。カランや鏡はピカピカだったし、浴室内もきれいで好感を持ったが、ペンキ絵だけは多少黒ずんでいる…。質屋や宝石屋と並んで新世美術の看板があったから、新世美術が描いたことは間違いない。目と鼻の先というほど近所だし。お湯はちょっとぬるめ。相客は僕の前後に1人ずつだったので、ゆったりと湯船につかることができた。ぶらっと訪れるにはちょっと勇気のいる立地だが、暖簾をくぐってみて実感。素朴でいい銭湯だなぁ、と。

常楽湯(神奈川県浴場組合)

常楽湯
住所/鎌倉市台2-4-7 [地図
電話/0467-46-4224
交通/JR東海道線・横須賀線・根岸線・湘南モノレール大船駅より徒歩12分
料金/大人450円、中人180円、小人80円
時間/15:00〜22:30、毎週金曜日定休