旅館みはる(清川村宮ヶ瀬)神奈川県唯一の村である清川村といえば、宮ヶ瀬ダムとダムの完成によってできた人造湖の宮ヶ瀬湖。相模川の支流である中津川にあり、ダムは首都圏最大の規模。昭和62年に本体工事に着手し、平成12年竣工した。ダムの完成によって鳥居原、湖畔、ダムサイトの3地区では「都市近郊リゾート」として整備が進められた。各地区では定期的にイベントが行われているが、宮ヶ瀬湖畔地区のクリスマスライトアップ(⇒記事)などはすっかり定着している。湖畔地区の観光の拠点は「水の郷商店街」で、旅館2軒と土産物屋のほか、宮ヶ瀬ビジターセンターなどの施設が並ぶ。ダムの完成前に訪れた漫画家つげ義春が「こんなところに一刻もいたくない」と言ったのが、この水の郷商店街だ。

旅館みはる(清川村宮ヶ瀬)そんな水の郷商店街にあるのが旅館みはる。レストランや土産物店を併設し、商店街の中ではいちばんの大型施設。日帰り入浴の看板が出ていたので訪れてみることにした。フロントの方がわざわざ2階にある浴室まで案内してくれたが、たぶん電気が点いていなかったからだと思う。冬の時期だからか、平日の夕方に宮ヶ瀬湖を訪れる人は殆どおらず、おのずと浴室は独り占め。あまり大きくない浴室だが、3帖弱の湯船にカランが10か所(うち3か所がシャワーつき)設けられ、明るくて清潔感がある。

旅館みはる(清川村宮ヶ瀬)いまさらことわっておくが、こちらは温泉ではない。「光明石の湯」というのを売り文句にしており、掲げられた説明書きには「自然界に存在する放射性元素を含む天然鉱石のなかで、もっともイオン化作用(生体活性作用)の強いとされる薬石光明石を主たる泉源体としてできたものです」とある。何のことかよくわからないが、銭湯でよく目にする「ガリウム温浴泉」、スーパー銭湯の「ラジウム温泉」と同じ意味だろう。パンフレットには「光明石温泉」と書いてあったが、温泉の文字が黒く塗りつぶされていた。

宮ヶ瀬湖お湯は湯船のふちまで一杯に入っており、湯船につかるとざぶんとあふれていく。肝心の泉質についてはとくに何も感じることがない。温度計によるとお湯は42℃。よほど換気がよいのか、室内に湯気が立ち込めることもない。窓は湖のほうを向いており、下半分が曇りガラス。湯船のふちに腰掛ければ真正面に湖の対岸の山並みを、立ち上がれば湖と湖畔の景色を眺めることできる。もっと上階にあればさらに景色も良かったのに、と思う。露天風呂がないのは仕方がないとしても、小さな湯船1つではあまり間が持たない。「休憩は1階のレストランを使ってもいいですよ」と言われたが、何も注文しないわけにはいかないし。といったわけで、そこそこに入浴を切り上げたあとは、湖畔をぶらぶら。休日や夏はもっと賑やかなんだろうな…。誰もいない湖畔ほど寂しい場所はない。

旅館みはる
住所/愛甲郡清川村宮ヶ瀬940-16 [地図
電話/046-288-2727
交通/小田急線本厚木駅よりバス50分「宮ヶ瀬」停下車
     国道246号線「市立病院前」交差点より県道60号線〜64号線
     ※水の郷第一駐車場などを利用(平日無料。休日2時間まで300円)
料金/大人1,050円、小人735円(タオルつき)
時間/11:00〜20:00

財団法人宮ヶ瀬ダム周辺振興財団
国土交通省関東地方整備局相模川水系広域ダム管理事務所