松の湯(大和市南林間)南林間駅西口より南東方向に延びる道を歩いていくと、真正面にスーパーがある。その角を右に折れると松の湯が見えてくる。こぎれいな駅前とは裏腹に、ここまで駅から徒歩2分の距離だというのに、おばちゃんたちが自転車で走り回る庶民的な光景も。南林間と隣駅の鶴間は600mしか離れていないのに、銭湯は3軒。典型的な郊外住宅地なのに不思議な感じがする。

松の湯(大和市南林間)松の湯はコインランドリーを併設し、上階は住居部分のいわゆるビル銭湯。自動ドアより館内に入ると、すぐ脇にフロントがあり、奥はテーブルとソファにテレビを備えたロビー。ショーケースにはタオル、歯ブラシ、下着類、シャンプーなどの販売品が陳列され、その種類も豊富。ほかにジュースとアイスのショーケースもある。

大和市/松の湯4神奈川県浴場組合のホームページには「県内で有数の広さ」とあるが、脱衣所はゆったりしているものの、浴室は誇るべきほどの広さではない。カランが壁際に4つ、5-5島式が2列分。全部で24あり、すべて固定式のシャワーつき。そのほかにカーテンつきのシャワーブースが2つある。湯船は浴室の奥と右手に分かれているが、まずは奥のほうから。横長に6〜7帖ほどの大きな湯船だが、座ジャグジーが3人分とガリウム温浴泉のバイブラ湯に真ん中で区切られており、緑色(ハーブ系?)の入浴剤。温度計が指す44℃よりも熱く感じなかったのは、客の出入りが多かったためか。

浴室右手には湯船が2つあり、ひとつは水風呂で、同じく緑色の入浴剤。もうひとつは日替わりのイベント湯で、訪れた日は「当帰・地黄の恵み」という青紫の入浴剤。説明書きが掲示してあったがよくわからなかったので、製造販売元のヘルスケミカルのホームページで確認。当帰はセリ科の植物、地黄はゴマノハグサ科の植物で、根を乾燥させたもの(→詳細)。40℃弱のぬるいお湯だったので寝てしまいそうだった。サウナは別途100円。利用者には黄色のフェイスタオルとバスタオルが貸し出しされるのでひと目でわかるが、半数以上の客がサウナを利用している様子。高温乾式サウナで、室内にはテレビがついている。

浴場組合のホームページには「浴室天井高10m」ともあるが、これは一般住宅の2階建よりちょっと高いくらい。普通とは逆で、緩いV字型の勾配天井。そう言われてみれば開放感があるなぁといった感じ。それよりも白タイルを基調とした浴室内は、蛍光灯がまぶしいくらい(夕方は西日がきつくてまぶしい)。昔ながらの銭湯とは違って、ペンキ絵やタイル絵といった装飾はないが、明るくて清潔感がある。

夕暮れ時に訪れたのだが、浴室には7〜8人の客。脱衣所でも喫煙OKだが、掃出し窓の外にはベンチを設えた喫煙スペースもある。1坪弱の空間でビニールトタンの屋根が覆っているが、隙間風が入るので湯あがりの一服には気持ちがいい。時おり「バリバリバリ」という轟音が頭上を通り抜けていくが、これは米軍の戦闘機。のんびりひとっ風呂も、これでは雰囲気台無しである。米軍の兵隊さんも一度松の湯を訪れてみるといい。どれだけ騒々しいか、リラックスの邪魔であるか、身をもって実感すればいいのだ。

松の湯(神奈川県浴場組合)

松の湯
住所/大和市南林間1-10-4 [地図]
電話/046-274-0464
交通/小田急江ノ島線南林間駅より徒歩2分
料金/大人450円、中人180円、小人80円
     ※サウナは別途100円
時間/15:00〜24:00、毎月7・17・27日定休(日祭日の場合は翌日)

(追記-2013/2/5)
2012/12/31をもって廃業しました。

松の湯(神奈川県浴場組合)
神奈川県浴場組合ホームページより