早雲足洗いの湯 和泉(箱根町湯本)早雲足洗いの湯 和泉(箱根町湯本)

箱根湯本には日帰り専門の温泉施設が数ヶ所あるが、「早雲足洗いの湯 和泉」もそのうちの1つ。駅から塔ノ沢方面へしばらく歩き、昭和8年竣工の旭橋(土木遺産)を渡るとすぐ左手にある。建物のすぐ脇まで山が迫っているのだが、館内に入ってみると岩肌むき出しの岩盤がそのままロビーの壁になっていた。玄関側には明治時代の横穴式源泉跡が残されている。手掘りで掘り進み、岩盤の亀裂から自然湧出する温泉をかき集めたもので、奥行きは56mだという(内部は立ち入り不可)。現在、こちらでは7ヶ所の源泉を使用しているが、そのうちの1つ(7号泉)は横穴湧泉。ポンプで汲み上げる温泉が多いなか、こうした源泉は歴史遺産と言えるだろう。

早雲足洗いの湯 和泉(箱根町湯本)-横穴式源泉早雲足洗いの湯 和泉(箱根町湯本)-ロビー

ロビーからリクライニングチェアが並ぶ無料休憩室の脇を通り、そのまま突き当たると浴室がある。「早雲の湯」と「権現の湯」と名付けられ、男女日替わりとなっている。訪れた日は男湯が「権現の湯」の日だった。脱衣所はちょっとせせこましくて、脱衣籠または100円ロッカーを使う。

7ヶ所の源泉を混合して使用しているが、権現の湯の内湯のみ「茶の花温泉」を単独使用している。「美肌湯」と名付けられた湯船は3帖ほどの大きさで、ほかの湯船に比べるとわずかにとろみがあるような肌ざわり。大きな窓ガラスを隔てて露天風呂があり、小判型の樽風呂は総ヒノキづくりで、やはり3帖ほどの大きさか。そしてその奥にはジャグジーつきの小さなバイブラ湯がある。露天スペースは広くないうえに、塀に囲まれているのがちょっと残念。

「早雲の湯」は、惣湯(9号泉)を主に使用した内湯、露天スペースには岩風呂風の湯船のほか、打たせ湯、半洞窟風呂という4つの湯船。惣湯は738年に釈浄定坊が発見した源泉で、箱根発祥の湯と言われている。ちなみに和泉では湯船の温度調節のため加温+加水をし、浴槽のごみを除去するためにろ過器を、配管掃除のために塩素を使用。換水及び清掃は毎日しているという。とても正直な施設である。

ところで「早雲足洗いの湯」の由来である北条早雲は、戦国時代初期の武将。小田原城を奪ったのち、次第に勢力を相模に拡大。そして関東一円を支配する後北条氏5代の基礎を築いた。早雲の遺言により建立されたのが、湯本小学校の隣にある早雲寺である。北条一門が早雲寺を訪れた際には温泉を利用していたといい、よって湯本温泉は「足洗いの湯」と言われるようになったという。

箱根地区国道1号の橋梁・洞門(旭橋、千歳橋、函嶺洞門)
   (関東の土木遺産/土木学会関東支部)

早雲足洗いの湯 和泉
源泉/湯本温泉(単純温泉)
住所/足柄下郡箱根町湯本657 [地図
電話/0460-85-5361
交通/箱根登山鉄道箱根湯本駅より徒歩7分
料金/大人1,200円、小人600円
     ※ホームページに平日優待券(大人1,000円、小人500円)あり
時間/平日11:00〜21:00
     休日10:00〜20:00
     毎週火曜日定休(祝日の場合は営業)