小菅の湯(山梨県小菅村)都県境で奥多摩町と接する山梨県小菅村は、面積の95%を森林が占める多摩川源流の山村。小菅の湯は村の中心部にある役場から139号線で約2kmの位置にある日帰り温泉施設。公社が運営し、平成6年のオープン以来、年間10万人以上が訪れたという。広大な敷地内には、別棟として地場の野菜などを販売する物産館があり、観光の拠点としての役割も担っているようだ。

洋風のロッジを思わせる外観で、中庭にイベント広場を有し、そして中庭をぐるりと囲むように食事処(座敷・テーブル席)、浴室、ごろ寝できる休憩室、宴会場、個室などが配置されている。外観ではわからないほど大きな施設である。今回は受付が終了する18時に訪れたので、お風呂しか満喫できず残念だった。

フロントで下足箱の鍵と脱衣所の鍵を引き換えたら浴室へ。脱衣所には浴槽ごとの源泉、循環濾過装置の使用有無を表示している。それによると、ジャグジーと打たせ湯のみ水道水だが、ほかは源泉を使用している。源泉は無色透明で、地下1,500mから湧出。ローションのようにぬるっとした肌ざわりで、なかなか良い。pH9.98の高アルカリ度と肌ざわりは、神奈川県でいえば七沢温泉と似ている。「かすかに硫黄臭があります」とあるが、内湯の大きな湯船ではふちに木をしつらえているため、硫黄というより木の香りが漂っている。

円形のジャグジーは水道水だが、ヒマラヤ産の天然岩塩とモンゴル産の天然炭酸を使用。寝湯に敷かれたグレーの小さなマットは「ドクターエレン健康マット」といい、遠赤外線などの効果により血行促進が図られるのだとか。健康に良い商品を取り入れたい気持ちもわかるが、宣伝しすぎで胡散臭く感じるし、だいいち温泉そのものの効能をもっとアピールすべきじゃないか、と思う。

室内にはほかに小さなサウナと源泉を使用した水風呂がある。つづいて露天風呂へ。メインの岩風呂は6〜7人が入れる大きさ。2つ並んだ五右衛門風呂は上げ底されており、半身浴も楽しめるといった趣向。座面と足元にはまたしてもドクターエレン健康マットが敷いてある。大きめサイズの樽風呂は週替わりのイベント湯で、訪れたときはよもぎの入浴剤。そもそもイベント湯(入浴剤)にする必要なんてないと思うのだが。露天風呂は塀に囲まれているが、あたり一面が山なので開放感がある。夜は真っ暗なのだが。ちなみに五右衛門風呂と樽風呂だけが源泉掛け流しで、ほかの湯船は循環濾過装置を使用している。



源泉は個性的だし、建物もごぎれいで好感が持てるのだが、なぜか物足りなさも。純粋に源泉を実感できるのが五右衛門風呂だけだし、村の面積の95%が森林だというなら、すべて木の浴槽にするくらいのPRの仕方があっても良かったのでは?と思う。人口1,000人足らずの村にしては建物の規模が大きすぎて、維持管理にお金がかかりそうだなぁと思うが、それは余計な心配か。

小菅の湯
源泉/小菅温泉(単純温泉)
住所/山梨県北都留郡小菅村3445 [地図
電話/0428-87-0888
交通/JR青梅線奥多摩駅より西東京バス〜村営バスで約1時間(1日4本)
     奥多摩町より国道411号線(青梅街道)で約30分
     中央道上野原ICから県道18号線(上野原丹波山線)で約50分
     中央道大月ICから国道139号線で約70分
     ※無料駐車場150台分あり
料金/1日コース:大人1,200円、小人700円(小学生)
            ※タオル+バスタオル+浴衣のレンタルセットつき
     3時間コース:大人600円、小人300円(小学生)
時間/(4月〜10月)10:00〜19:00
     (11月〜3月)10:00〜18:00
     毎月第4金曜日定休

小菅村ホームページ
小菅村観光協会

(追記-2012/8/15)
公式サイトを見つけたのでリンク先を修正。
YouTubeの動画を貼り付け。