おふろの国(横浜市鶴見区下末吉)鶴見川の対岸にRAKU SPAを睨み、西に200m歩けばヨコヤマユーランドが存在感を放つ。おふろの国は激戦時代の象徴とも言えるが、個性的な各店が差別化を図ることにより共存共栄する。とりわけおふろの国といえばエンターテイメント銭湯の草分けにして、なおもトップランナーだ。インターネット情報番組「オフロナイトニッポン」やおふろアイドル「OFR48」を生み出し、ロウリュにはプロレスラーが登場。奇抜なアイデアで注目を集める。RAKU SPAが若年層、ユーランドが年配層を得意とするなら、おふろの国は中年サラリーマン。温浴施設の重要な核となるターゲットだ。

ファンタジースパ おふろの国(横浜市鶴見区下末吉)第二京浜(国道1号線)新鶴見橋たもとにあって、横浜市東部病院の真向かい。典型的なロードサイド店の立地だ。下階に立体駐車場を備え、店舗は3階に構える。まずは券売機でチケットを買うが、その傍らには熱波神社。ワゴンには熱波やOFRのTシャツ、グッズを並べて販売。ガチャガチャまである。館内を流れるBGMもOFR48という徹底ぶり。

ファンタジースパ おふろの国(横浜市鶴見区下末吉)オープンは平成12年。京浜地区におけるスーパー銭湯の第1号店だという。そのせいか、例えば洗い場などには年季を感じる。湯、水、シャワーはそれぞれ押しボタン式だ。ジャグジー、バイブラ湯、電気風呂、打たせ湯と思いつくままの湯船を揃え、「13種類のおふろ」と数で勝負するのも昔の発想か。入浴剤を使用した湯船を2つ並べ、ぬる湯、あつ湯のはっきりとした温度差を付けているから、交互浴が気持ちいい。(写真はおふろの国公式サイトより転載)

ファンタジースパ おふろの国(横浜市鶴見区下末吉)サウナも熱波イベントのある高温、自動ロウリュ(イズネス)の中温の2室がある。おすすめは毎時30分の自動ロウリュを堪能し、合間には高温サウナ(または中温)と水風呂へ。1時間3〜4セットの計算だ。「パネッパ!パネッパ!」「パネすげー!」とやたら騒がしい熱波は、この店の名物。バケツ熱波のため熱さはさほどでもないが、パフォーマンスの熱さが売り。欲を言えば、もっと開催回数を増やしていただきたい。

ファンタジースパ おふろの国(横浜市鶴見区下末吉)浴室内には他にバイブラ湯とジャグジー。露天には岩風呂と人工炭酸泉があるけれど、ぐるりと塀が囲んでいる。じつはこの店でおすすめしたい景色が、レストランのカウンター席から眺める鶴見川の流れ。対岸ではRAKU SPAが営業中。さすがにあちらの客の入り具合まではわからないけれど(笑)。ちなみにレストランは良心的な料金設定。仕事帰りのサラリーマンの味方は、平日22時以降の夜丼だ。

ファンタジースパ おふろの国(横浜市鶴見区下末吉)おふろの国の立地がそうであるように、スーパー銭湯はいま厳しい競争を強いられている。そのなかでいかに個性を打ち出し、生き残りの策を講じるか。おふろの国が仕掛けるアイデアは、既成概念にとらわれず、時として奇天烈で破天荒。初めての人は不思議な感覚かもしれない。しかし、せっかくならこの「国」の世界観を楽しみたい。いつしか次なる仕掛けを待ち望んでいる自分に気づくはずだ。

ファンタジースパ おふろの国(横浜市鶴見区下末吉)



ファンタジースパ おふろの国
住所/横浜市鶴見区下末吉2-25-23 [地図
電話/045-585-4126
交通/JR南武線尻手駅より徒歩15分
     JR鶴見駅西口よりバス「新鶴見橋」停下車すぐ
     国道1号線(第2京浜)の新鶴見橋際
     ※無料駐車場100台分あり
料金/(平日)大人700円、子供350円
     (休日)大人800円、子供400円
時間/11:00〜24:00(休日は8:00〜24:00)
     毎月第3月曜日定休(祝日の場合は営業)

(追記-2016/12/11)
全面的に書き直しました。