常盤湯(横須賀市佐野)横須賀市佐野町といえば「佐野天然温泉のぼり雲」(→記事)の名が挙がるが、今回訪れた常盤湯は、のぼり雲の目と鼻の先にある銭湯。道をはさんで斜め前、セブンイレブンの路地を少し入ったところにある。実は佐野町には常盤湯のほかに松の湯、斗の湯、大徳湯と銭湯がひしめき合っている。いずれも個性的で味のある佇まいだが、そのなかでも常盤湯は看板建築風のシンプルな外観。玄関先に裸電球を1つ灯しただけで、屋号も申し訳程度に書いてあるだけ。路地裏でひっそりと営業中、といったところか。

常盤湯(横須賀市佐野)番台には誰も座っておらず、女性の脱衣所からカーテンをくぐっておばちゃんが顔を出してきた。お金を払うと、一見の客であることを察したのか、「カランは左側のほうが熱いですから。右側もしばらく使っていると熱いのが出てくると思いますけど」と言って、またカーテンの向こうへ。女性側にだけテレビが置いてあるようだ。男性の脱衣所はというと、9つあるロッカーには鍵がなく、脱衣籠を利用する。棚には常連さんの洗面用具が並んでいる。ほかには小さな流しとジュースの入った冷蔵ケース、机と椅子1脚ずつ、体重計。そして孫が作ったのか?レゴで作ったよくわからない模型が展示してあり、なんだか微笑ましい。

カランは左の壁側から6、真ん中に4-3、右の壁際に3つ並び、両方の壁際のだけ固定式シャワーが付いている。おばちゃんの言うとおり左側の列に座るが、それでもぬるいのはなぜか。ちなみに4-3の列には鏡すらないので、そのぶん低くなっている。

勢いの弱いバイブラ湯、底の深いジャグジー風呂がそれぞれ2帖分で仕切られ、そのほかに1.5帖ほどの日替わり湯がある。この日の入浴剤は「ワイン」。ブクブクと勢いのいいバイブラ湯で、そのぶんお湯が冷めてしまっているのか、40℃よりぬるいのではないかと思われる。寝てしまいそうな気持ちよさだった。色だけ見ると、さながら血の池地獄。ワインのにおいはしなかったが。そして湯船の上には渓流をモチーフとしたペンキ絵が描かれていた。

常盤湯(神奈川県浴場組合)

常盤湯
住所/横須賀市佐野町3-8 [地図
電話/046-851-1849
交通/京浜急行県立大学駅より徒歩13分
     JR横須賀線衣笠駅より徒歩14分
     京浜急行横須賀中央駅よりバス「佐野四丁目」停下車
     横須賀中央駅より県道26号線(三崎街道)で衣笠方面へ
料金/大人450円、中人180円、小人80円
時間/15:30〜22:00、月曜日定休(月3回)