つるま湯(大和市鶴間)つるま湯(大和市鶴間)

鶴間駅より小田急江ノ島線の東側を線路に沿って歩き、歩行者専用の跨線橋を過ぎたら次の角を左へ。住宅街の中に「つるま湯」はある。目印はちらりと見せる煙突だけ。周囲にも現地にも屋号を示す看板はなく、玄関先にはシンプルな暖簾がかかっているだけ。立地といい、そっけない外観といい、一見さんを寄せ付けない雰囲気ではあるが、扉を開けると大衆銭湯の風情をじゅうぶん感じさせてくれる。

夕暮れ時の番台にはおじいさんが座り、ラジオで野球の日本シリーズを聞いていた。脱衣所にはロッカーが壁際、そして真ん中に横の向きで置いてある。女性の脱衣所との間仕切壁には大きな鏡が据え付けられ、ほかにはテーブルと丸椅子、灰皿、ジュースの入った冷蔵ケース、かなり年季の入ったマッサージ椅子。余計なものは一切ない。

浴室もまたシンプルそのもの。カランは6、5-5、5の順に並んでおり、女湯との間仕切壁側に並んでいる6つにだけ固定式シャワーが付いている。真ん中の5-5の列にいたっては鏡もなく、そのぶん低くなっているので周りを広々と見渡すことができる。浴室の奥には湯船が2つ並んでおり、どちらもお湯の温度は42℃を指していた。一方の湯船は2帖ほどの大きさの座湯ジャグジー。そしてもう一方は4帖ほどの大きさで一部が弱々しい勢いのバイブラ湯。「美容と健康に気泡湯がおすすめです」と書いてある。給湯口には赤いランプが灯り、拳ほどの石ころが数個見える。帝大教授の解説によると、これらは放射線を放出する天然鉱石とのことで、つまり「ラジウム石温浴泉」。石ころをお湯が通過することによってどれだけの効果があるのか謎だし、だいいちこういう能書きの登場人物はいつも帝大教授だが、いったいいつの話なんだか。

装飾としては間仕切壁側のカラン上部に、鯉が泳ぐ風景のタイル絵。そして湯船の上には鯉が泳ぐ風景のタイル絵、さらに女湯とにまたがって描かれた大きな富士山と渓流のペンキ絵。といった具合でかなりおめでたい。

駅から近いわりに場所がわかりにくく、ひっそりと営業している感じがするが、入ってみるとなかなか味わい深い銭湯であった。

つるま湯
住所/大和市鶴間1-8-13 [地図
電話/046-262-0076
交通/小田急江ノ島線鶴間駅より徒歩4分
料金/大人450円、中人180円、小人80円
時間/15:00〜23:00、不定休