月島温泉(東京都中央区月島)中央区月島といえば言わずと知れた「もんじゃ」の町。地下鉄の駅を出ると、通称「もんじゃストリート」と呼ばれる西仲通りを中心に、路地裏にまでもんじゃの店がある。1980年頃は月島全体でもんじゃ屋は10軒程度だったというが、現在では月島全体で約75店、うち35店が西仲通りに店を構えているという。親戚がむかしから豊洲に住んでいるので、1980年代にももんじゃを食べに行ったことがあるが、当時は有楽町線が開通しておらず、薄暗い道を歩いていった記憶がある。豊洲も月島もいまでは考えられないくらい、陸の孤島的な町だったのだ。と、まぁそんな話はさておき、こぎれいに整備された「もんじゃストリート(西仲通り)」の中ほどにあるのが月島温泉で、9階建のマンションの2階に入居する銭湯だ。

月島温泉(東京都中央区月島)マンションの1階はもんじゃ屋と喫茶店。その間にある通路を入っていくと、突き当りには月島観音の祠。と普通に書いてみたが、マンション内に観音様があるなんて、いかにも東京な光景だ。その隣のエレベーターで2階へ上がると月島温泉と併設するコインランドリーがある。1階のエレベーターホールには「月島温泉」と書かれた古い看板が、そして店内のロビーには「実母散」の古い看板が掲げられている。屋号には「温泉」と付いているが、こちらでは実母散の効能をもって温泉と称しているので、実際には温泉を使用しているわけではない。

脱衣所や浴室内には、節水や入浴マナーを呼びかける紙がベタベタと貼ってある。「地球が壊れてきています。エネルギーが限界です」「カランの独占は恥ずかしいことです」「シャワーは使うときだけ」「入浴は身体の前と後ろを石鹸で洗ってから」などなど。とくに節水に関してはよほど呼びかけたいのか、20ほどあるカランのほぼ1つおきに貼り紙がなされている。最近の銭湯では入浴マナーの悪い人が多いそうだし、もんじゃついでに訪れる客が割合的に多いのかもしれない。それにしてもベタベタ貼りすぎじゃないの?と思う。

大きな湯船にはジャグジー2基とバイブラ、電気風呂を備えており、ほかに水風呂と薬草風呂。ジャスミンの入浴剤が入っていたが、どうせなら実母散にしてほしかった…。別途料金だがサウナもある。『東京銭湯お遍路MAP』には露天風呂があると書いてあったが、そんな湯船はどこにもなく、もしや誤植かと思いきや、露天風呂があるのは女湯のみ。ならばそう書いてほしかったし、月島温泉を訪れた理由のひとつは露天風呂だったのだが、毎週月曜日に男湯と女湯が週替わりで入れ替えになるとのこと。また機会があったらトライしたい。お湯はカランも湯船も軟水処理しており、肌には優しいらしいが、石鹸を洗い流してもヌルヌル感は取れず、不思議な感触。

月島温泉は明治33年(1900)創業で、月島の埋め立てと同時期なのだという。歴史の古さは東京でも指折り。平成13年にマンションへの建て替えを機に、リニューアルオープンした。昔ながらの佇まいの銭湯よりも入店しやすいのではないだろうか。ロビーにはテレビもあり寛げる空間となっている。もんじゃのあとのひとっ風呂にぜひどうぞ。

月島温泉
住所/東京都中央区月島3-4-5 [地図
電話/03-3531-1126
交通/東京メトロ有楽町線・都営大江戸線月島駅より徒歩4分
料金/大人450円、中人180円、小人80円
     サウナは別途320円
時間/11:00〜24:00、無休
     金・土曜日・祝前日は26:00まで
     月曜日が祝日の場合は日曜日の深夜営業はなし

(追記-2011/8/17)
営業時間変更。2011/7/8より金曜日・土曜日は25:00まで。
    
月島温泉(東京都浴場組合)
月島温泉(中央浴場組合公式サイト)
月島もんじゃ振興会協同組合
出没!アド街ック天国(テレビ東京・2005/5/28放送)