旅館深雪温泉東京からも気軽に行ける距離にある石和温泉は、コンパニオンをあげての団体旅行というイメージがあるのだが、実際はどうなのだろうか。せっかく石和に来たのに温泉に入らないのでもったいない。駅前には大型の旅館やホテルが並んでいるが、どこが日帰り入浴をやっているのかわからないので、まずは駅併設の観光協会へ。温泉街の地図をコピーしたペラの紙(もっとまともな案内図はないのか?)によると、42軒の宿のうち日帰り入浴を行っているのは約半数。ほとんどが1,000円以上。共同浴場はなく、市営の日帰り温泉施設「なごみの湯」はちょっと離れている。というわけで駅から徒歩10分のところにある「旅館深雪温泉」へ。

源泉湯宿を守る会の宿でもある旅館深雪温泉は、248mの深さから自噴する自家源泉を持っている。泉温50.8℃と36.0℃の2つの源泉は、毎分1,415リットルと湯量も豊富。循環処理をしていないので、飲泉も可能。シャワーまでもが源泉を使用しており、また湯船からは大量のお湯がかけ流しされている。源泉100%のお湯を深雪温泉では「完熟の湯」と名づけている。

旅館深雪温泉浴室は男湯が「柿の湯」、女湯が「ももの湯」で、それぞれ内風呂と露天風呂が1つずつ。露天風呂は男湯が岩風呂、女湯が石造りの湯船。男湯は広いなぁという印象を受けたが、女湯は4〜5人用といった感じの広さ。きれいで落ち着いた雰囲気が良い。内風呂でもそうだったが、温度の違う2つの源泉が別々の給湯口から注がれているので、場所ごとに温度の違いを楽しむことができる。とくに熱いお湯が好みの人にとっては、はじめから適温に調整されていないのは嬉しいかも。高い塀と屋根に覆われているので開放感はないが、旅館のお風呂としては随所にこだわりが感じられる。

廊下には温泉湧出当時の石和の風景を写した写真が飾ってある。いまでこそ石和温泉は関東では有名な温泉地であるが、昭和36年に石和町内のブドウ農場での源泉湧出が始まりだというから、その歴史は新しい。また、松本人志や木村祐一、地元出身のアーティスト・レミオロメンなどのサイン色紙も掲げられている。石和では中規模の宿ではあるが、芸能人はこういうところを訪れるのか…と妙に納得。もちろんコンパニオンつきの宴会パックなどもあるので、石和を訪れる際の選択肢のひとつとして検討してしてみてはいかがだろうか。

旅館深雪温泉
源泉/石和温泉(単純温泉)
住所/山梨県笛吹市石和町市部822 [地図
電話/055-262-4126
交通/JR中央本線石和温泉駅より徒歩10分
料金/1,000円
時間/10:30〜15:00

石和温泉観光協会
石和温泉旅館協同組合
源泉湯宿を守る会 公式Webサイト