日栄浴場(相模原市南区相南)小田急相模原は通称「おださが」と呼ばれ、相模原市南部に位置し、座間市と接する町。北口に「サウザンロード」、南口に「ACT南口一番街」という商店街があり、衣食住のたいていの物はこの町で揃う。日栄浴場があるのは南口を降りてしばらく歩いたところ。イトーヨーカドーより南側に路地を入っていく。

日栄浴場(小田急相模原)実は「おださが」の高校に通っていたので、当然毎日この町を歩いていたわけだが、日栄浴場の存在には気づかなかった。通学路ではなかったと言ってしまえばそれまでだが、なにしろ卒業以来10数年ぶりに訪れた餃子の「萬金」の帰りに発見したのである。路地側にコインランドリーを併設し、銭湯自体はわずかに引っ込んで建っている。よその建物で半分隠れてしまっているが、和風建築なのに玄関先だけタイルで装飾した造り。

日栄浴場(相模原市南区相南)フロントわきの暖簾をくぐると脱衣所がある。日曜日の夕方とあってすでに大勢の客が詰め掛けていた。ソファのまわりには黄色のバスタオルを腰に巻いた人が7〜8人。湯上りにタバコを吸いながら談笑しているが、いきなりの過密ぶりには驚かされた。ちなみに黄色いバスタオルはサウナ利用者の証。意外と利用者は多いようだ。

浴室の入口は自動ドア。右側に乾式高温サウナ、立ちシャワー、水風呂。奥には寝湯ジャグジー、ガリウム石温浴泉のミクロバイブラ(酵素風呂という表記とともに、皮膚を柔らかくして汚れを落とす…といった旨の説明が添えられている)、座湯ジャグジー、茶褐色の漢方延寿薬湯が並ぶ。湯船の上には、大海原にヨット2艇というモチーフの背景画が描かれている。

ほかの銭湯と比べて浴室が広いわけではないが、やたらと湯船の数は多い。いずれも1つ1つの湯船は2帖ほどなのだが、狭い空間をうまく利用しているとしか言いようがない。実際に洗い場の通路は狭いような気もするし。ちなみに壁際と島式2列で32あるカランはすべて固定式シャワーつき。

一番人気は薬湯のようだ。薬草や樹皮を煎じた匂いが微かにする。つねに3〜4人が入浴中なので、誰かが湯船から出る隙を見て入るようだが、日栄浴場のお湯は全体的にぬるめだし、しかも長湯の人が多い。サウナと水風呂を行ったり来たりする人の姿も。浴室内にはつねに10人くらいの客がいて、常連客の話し声が絶えない。

風呂から上がると脱衣所では今度は野球中継に人だかりができていた。数人のアンチ巨人は、巨人が失点すると手を叩いて大喜び。ちなみにフロント脇のロビーにもソファとテレビがあり、待ち合わせなのか寛ぐ人の姿も多かった。こんなに賑わっている銭湯もいまどき珍しいのではないだろうか。

日栄浴場(神奈川県浴場組合)

日栄浴場
住所/相模原市南区相南4-1-25 [地図
電話/042-742-2876
交通/小田急線小田急相模原駅より徒歩4分
料金/大人450円、小学生180円、未就学児80円
     ※サウナ+入浴は600円
時間/15:00〜23:00(日曜日は朝風呂営業あり)、毎週月曜日定休