谷の湯鉄輪地区にある共同浴場。旅館街の裏手、源泉を汲み上げる櫓が建ち並ぶ路地を歩いていく。あちこちから湯気がもうもうと上がり、観光地の舞台裏を垣間見た気分だ。小さな川が路地と平行して流れており、そのためなのか谷の湯は路地から少し下ったところに建っている。2階建の小さな建物で、1階の入口の扉には「料金は上屋で払ってください」との小さな貼り紙。谷の湯の2階と隣の民家の1階は建物が一体化しており、民家にいたおばちゃんに料金を支払う。

谷の湯入口の扉を開けると、脱衣所と浴室の境目もなく、ただ棚が並んでいるだけ。すのこの幅1m足らずが通路兼脱衣スペースである。そして1mくらい隔てて4帖くらいの大きさの湯船がある。ほんの少し緑がかっているが、透明度のあるやわらかいお湯。温度もちょうど良かった。

谷の湯浴室は湯船もコンクリート打ちっぱなし。ところどころがぼんやりと黒ずんで、いい具合にくたびれている。いままで数々のお湯に浸かったが、考えてみればコンクリ製の湯船ははじめてだ。そして入口の扉を開けた瞬間から気になったのが、浴室の隅っこに不動明王が祀られていること。賽銭箱も置かれ、線香も焚かれている。その下はかまどのように見えるが、あとで調べたら旧源泉だという。いまは水が溜まっている。

といった具合で不動明王に見守られながらの入浴。ただし、これは男湯だけのようだ。

谷の湯
源泉/鉄輪温泉(単純温泉)
住所/大分県別府市北中1組 [地図
電話/なし
交通/JR日豊本線別府駅西口よりバス16分「鉄輪」停徒歩4分
料金/大人100円、子供50円
時間/6:30〜22:00