由布院由布院

「ゆふいん」はよく名前を聞く温泉地ではあるけれど、漢字で書くと“由布院”“湯布院”の2通りがあり、いったいどちらが正しいのであろうか? 鉄道の駅は由布院だが、高速道路のICは湯布院。観光地としては由布院温泉と書くのが正しいのだが、湯布院温泉でも間違いとは言い切れない。

住所は由布市湯布院町。昭和30年に旧湯平村と旧由布院町が合併して大分郡湯布院町になったのだが、昭和34年に由布院温泉、湯平温泉、塚原温泉が「国民保養温泉地」に指定された際、湯布院町にある温泉という意味合いで“湯布院温泉”と呼ばれるようになったようだ。ちなみに湯布院町は平成17年の広域合併によって由布市湯布院町となった。

金鱗湖金鱗湖

JR由布院駅から金鱗湖へと至る約1.5kmが観光地由布院のメイン通りである。正面に標高1,584mの由布岳を望み、道の両側には観光客相手の土産物屋や雑貨屋などしゃれた店が並ぶ。由布院が若い女性やカップルに人気がある理由もよくわかる。温泉旅館も数多くあるのだが、温泉地という雰囲気はまったくない。例えるなら軽井沢のような町だ。

金鱗湖は由布岳の下にある池という意味で、むかしは「岳ん下ん池」と呼ばれていたが、明治17年に毛利空桑という儒学者が「金鱗湖」と名付けた。「池のそばの露天風呂(=下ん湯)から湖面を眺めていると、魚が飛び跳ねて鱗が夕日に映えて金色に輝く」(現地看板より)ことに由来する。池のそばの露天風呂はいまでもあり、地元住民や観光客に利用されている。

下ん湯湖畔に建つ茅葺屋根の素朴な建物が「下ん湯」である。外来入浴200円の文字がなかったら共同浴場とは気付かないくらい、周囲ののどかな風景と調和している。料金箱にお金を入れて扉を開けると、いちおう衝立はあるもののそのすぐ裏側には湯船。ちなみにここは混浴。男女別の脱衣所もなく、湯船を真ん中にしてその左右に棚があるだけという、実におおらかな造りとなっている。急いで服を脱いで入浴したい一心で扉を開けてすぐの棚(左側)を利用したが、あとから考えれば右側を利用すればよかった。左側だと扉が開くと外から見えてしまうし、衝立の上から湯船をのぞき、混浴だと知って立ち去ってしまう観光客も多い。由布院のしゃれた雰囲気とのギャップが素敵なのだが、女性の入浴は勇気が必要だろう。

下ん湯内湯の湯船が1つと半露天の湯船が1つ。内湯のほうがちょっと熱め。源泉は無色透明だが、湯船ではやや緑がかっている。半露天の湯船では湖畔の木々が反射してかなりまぶしかった。金鱗湖を散策している観光客の姿が木々の間から遠くに見える。向こうの観光客は景色の一部として茅葺屋根の建物を眺めているが、そこが共同浴場と知って驚く人も多いことだろう。湯船に浸かっているこちら側はそんな観光客を眺めているわけで、なんとも不思議な感覚だ。

下ん湯
源泉/岳本温泉(単純温泉)
住所/大分県由布市湯布院町川上 [地図]
電話/0977-84-3111(由布市商工観光課)
交通/JR久大本線由布院駅より徒歩20分
料金/200円
時間/9:00〜23:00(変動あり)、年中無休

由布院温泉観光協会(観光情報に立ち寄り湯情報あり)
由布市観光情報-温泉編-(由布市役所)