太閤湯箱根でも宮ノ下界隈は富士屋ホテルを中心として、明治以降は横浜の居留地外国人で賑わった温泉地。いまもその風情を残し、多くの観光客が訪れる。太閤湯は宮ノ下地区にあるのだが、源泉は隣接する底倉温泉ということになっている。

太閤湯があるのは富士屋ホテルのほぼ真向かい。国道1号線からスロープ状の狭い道を下ったところにあり、通りの看板に気付かなければ通り過ぎてしまうかもしれない。「区営」と書かれた暖簾が示すように、ここは宮ノ下地区の住民が組合方式で運営する、いわば地元の銭湯である。建物も暖簾が出ていなければそれとはわからない、ごくごく普通の民家といった感じ。

浴室は男女それぞれ大小2ヶ所ずつあり、廊下には男・女・男・女の順で脱衣所のドアが並んでいる。大きい浴室でも小さい浴室でも入浴料は同じ。もちろんどこに入ってもよい。

太閤湯今回入浴したのは大きい浴室。といってもカギ形をした湯船の広さは3帖弱。タイル張りの浴室にはカランが2つしかなくて、まさに温泉場の共同浴場といった素朴な雰囲気である。シャンプーやボディソープはもちろん置いていない。そして風呂から上がるときにはお湯の蛇口を止めるという、実にわかりやすい方式。わりと熱めのお湯をかけ流しにして堪能することができた。窓の外には早川の対岸の山並みが一望でき、露天風呂と変わらない開放的なロケーションだ。ちなみに小さい浴室はというと、1坪弱のこじんまりとしたもの。

夕方以降は地元の人で賑わうので、どちらか空いているか確認して入浴したほうが良いかも。

太閤湯
源泉/底倉温泉(ナトリウム−塩化物泉)
住所/足柄下郡箱根町宮ノ下223 [地図
電話/0460-82-4756
交通/箱根登山鉄道宮ノ下駅徒歩6分
     国道1号線「宮ノ下」交差点手前(富士屋ホテル向かい)
料金/大人300円、小学生以下200円
     入浴+休憩800円
時間/9:00〜21:00、毎週水曜日定休(祝日の場合は翌日)