上高地温泉ホテル上高地温泉ホテルは文政13年(1830)に「上口湯屋」として創業した歴史あるホテル。芥川龍之介や若山牧水、高村光太郎といった著名人が多数宿泊している。目の前には梓川の清流、そして明神岳、六百山、霞沢岳といった穂高連峰の山並みを望む絶好のロケーション。上高地のハイキングコースの中間に位置していることもあり、日帰り温泉にはハイカーの立ち寄りも多い。また朝の7時から営業しているのも嬉しい。

日帰り客は土産物屋の脇から入館する。浴室は中2階。焼岳側の「焼の湯」と穂高連峰側の「梓の湯」があり、男女入れ替えとなっている。訪れたときの男湯は「梓の湯」だった。内風呂にはカランが4つくらい並び、その壁の上にはホテルに宿泊した文人たちの詩歌が並べて掲げられている。そして石造りの湯船が1つ。4帖分くらいの大きさで、一部ガラス張りになっており、明るい日差しが差し込んでくる。

上高地温泉ホテルの浴室露天風呂は大きくはないが、全体が岩風呂のつくりで上の段と下の段という具合に分かれている。それぞれが2〜3人が入ればいっぱいという大きさ。浴室はホテルの裏側にあり森林浴の気分だが、上の段の湯船につかれば遠くに穂高連峰の山並みを望む。源泉は無色透明だが、森の緑が反射しているのかエメラルドグリーンに輝いて見える。ほかには樽風呂が2つ。景色もいいし、ゆったりできて超おすすめ。

上高地温泉ホテル
源泉/上高地温泉(単純温泉)
住所/長野県松本市安曇上高地4469-1 [地図
電話/0263-95-2311
交通/松本電鉄新島々駅よりバス1時間10分「帝国ホテル前」停徒歩7分
     車では通年マイカー規制あり。R158沢渡からシャトルバス利用。
料金/大人600円、小学生以下300円
時間/7:00〜9:00、12:30〜15:30
*ホテルは4月下旬から11月中旬までの営業。

YOMIURI ONLINE(2006年7月14日)「湯遊探訪」−信州温泉巡り
  <12>上高地温泉ホテル(松本市) 文人の宿で目の保養