平塚温泉平塚駅南口をまっすぐ海のほうに歩いて2分。駅からいちばん近い銭湯が「平塚温泉」である。南口はマンションや商店が新築され、きれいな街並みになりつつあるというのに、この平塚温泉だけはむかしの街の面影を残す。開業は昭和28年で、2代目の店主は昭和51年より経営を引き継いだのだという。

自動ドアが2つ並んでいてどちらから入るべきか迷うのだが、どちらからでも可。番台だった頃の名残なのではないかと思う。いまはフロント式。待ち合わせ用のベンチが1つ置いてある。ラジカセからは演歌やムード歌謡が大音量で流れていて、その歌声は脱衣所まで聞こえてくる。

浴室には左右と中央にカランがあり、シャワーがあるのは左右両端のみ。銭湯でよく見かける固定式シャワーと一般的なホースありシャワーは1つおきに設けられている。男湯と女湯の間仕切壁と浴槽部分の壁には、目線の高さだけ細かいタイルでヨーロッパっぽい風景が描かれている。

平塚温泉という屋号だが、温泉を利用しているわけではない。平塚にはほかに「湘南温泉」「八幡温泉」という屋号の銭湯があるが、いずれも温泉ではない。関西ではよくある話だというし、東京・神奈川でも決して少ない話ではない。どうやら薬湯=温泉という解釈らしく、平塚温泉には実母散の薬湯がある。大きな湯船は白湯だが、その隣にある小さな湯船が薬湯。実母散とは江戸時代から広く知られた婦人薬で、血行促進などに効果があるのだとか。茶色く濁っており、煎じた薬草のにおいがする。薬湯ということで身体が温まるような気がするし、ありきたりの入浴剤ではないのでちょっとだけ得した気分がする。

平塚駅南口から真っ直ぐ、しかも近い。タオルや石鹸を忘れたら隣のショップ99で買えばいい(もちろん平塚温泉でも売っているが)。買い物や仕事帰りなど地元住民はもちろん、海水浴や旅行など地元以外の人にも立ち寄りやすいし、おすすめしたい銭湯だ。

平塚温泉(神奈川県浴場組合)

平塚温泉
住所/平塚市代官町11-34 [地図
電話/0463-21-2134
交通/JR東海道線平塚駅より徒歩3分
料金/大人430円、中人180円、小人80円
時間/15:30〜22:30、毎週水曜日定休

(訂正-2008/11/12)
いつの間にか営業時間が22:30までになったので、上記訂正しました。

平塚温泉休業のお知らせ(追記-2009/12/12)
2009/11/23より休業しています。
八幡温泉のおばちゃんいわく「やめちゃったよ」とのこと。
復活はないのかもしれません…。


(追記-2010/3/10)
あちこちの銭湯で「廃業しちゃった」という話は聞いていましたが、正式に廃業したのは2010/1/12付だそうです。

「半世紀超親しまれた”裸の社交場”灯が消える、「平塚温泉」2代目闘病で/神奈川」
(カナロコ-2010/03/10)