藤野町郷土資料館ふじや小原宿の資料館(小原の郷)のおばちゃんが「吉野宿にも資料館があるよ」と言うので、ついでに寄ってみた。国道20号線で相模湖駅の湖岸を走り、藤野町に入ってすぐの道路脇に資料館はあった。正直言って建物はボロく、「藤野町郷土資料館ふじや」という看板があるものの、おばちゃんに聞いていなかったら間違いなく見落としていただろう。田舎にありがちな個人の道楽でやっている胡散臭い博物館のイメージが頭をよぎったが、勇気を出してガラガラ戸を開けてみた。

なんてことはない田舎の資料館で、おじさんが「どうぞどうぞ」と迎え入れてくれた。展示内容はまず宿場のジオラマからはじまり、写真、2階にはむかしの農機具が並び、昭和の頃から一新していないような感じ。「あんまり人が来ないから」ということで館内の照明をひとつひとつ点けてくれた。おじさんは気さくな感じではないけれど、展示内容について説明もしてくれて、最後にはお茶まで出してくれた。小原の郷と比べると明らかにB級だが、いいぞこの感じ。皆も訪れるべきである。

吉野宿本陣跡吉野宿は日本橋から数えて11番目の宿場。明治10年頃当時の地図では本陣と脇本陣、それに旅籠屋6軒の小さな宿場だったが、遊郭も6軒ある。「後の新地遊郭」ということで3軒増えているが、この小さな宿場町に遊郭が多い理由がいまいちわからない。

資料館の目の前は本陣跡。町は明治29年の大火で焼けてしまい、木造5階建ての本陣も土蔵以外は焼失してしまった。ちなみに郷土資料館の「ふじや」とは大火の翌年に建て替えした旅籠の名前。ふじやに関してはこんな話題もある。で、これはトップページ。藤野駅前のいかしたお店「シーゲル堂案内」を見よ。8月いっぱいと9月前半は休業。店主の旅行と休養のため。すばらしい。というわけで本題とはずれてきたが、「ふじや」にいるおじさんには心からエールを送りたい。

藤野町郷土資料館ふじや
住所/津久井郡藤野町吉野214 [地図
電話/042-687-5022
料金/無料
時間/10:00〜16:00、毎週月曜日・木曜日休館