伊香保グランドホテル黄金の湯館伊香保グランドホテルは「365日同一料金」でおなじみの伊東園ホテルグループ。そして「黄金の湯館」は併設する日帰り温泉施設である。厳密にいえば「日帰り」ではないのだが…。

伊香保温泉街の入口にあり、「24時間営業」の看板が目を引く。訪れたのがGWとあって、夕暮れ時なのに入浴まで1時間待ちの大混雑。食事処も満席。それもそのはず、料金は入館時点からの24時間制で、しかも深夜の追加料金を徴収していないのだ。ということは仮眠室で寝てしまえば、宿代わりにすることもできる。しかもたったの680円で。隣のホテルの365日同一料金というのも価格破壊だと思うが、この施設の料金体系もちょっとおかしい。有料の貸室もあるのだが、どうせならば680円で朝まで過ごしてみたい。

まず休憩室をチェック。畳敷きの和室が2つと映画を上映するリクライニングルーム。いずれも家族連れなどで満室。和室では座布団を並べて横になっている人が多く、また荷物で場所取りしている人もいる。リクライニングルームにはリクライニングチェアが並び、真っ暗で過ごしやすそうなのだが、ここも満席。すでに高いびきの人もいる。ちなみにカラオケサロンやインターネットは無料で利用できる。また、ゲームコーナーやちびっこ広場といったスペースもあり、館内は大衆的観光ホテルといった雰囲気だ。

先に食事を済ませ、また様子を見にいくと、和室にちょうど空きが出たので、すぐさま場所を確保。これでひと安心。さっそく浴室へ。壁際にはカランが横一列に並び、そしてかなり大きな湯船。一面ガラス張りになっているが、裏は雑木林になっているようで眺めはよくない。日帰り温泉施設によくある明るい雰囲気は一切感じられず、むしろ観光ホテルの大浴場といった雰囲気だ。

内湯は2つ、露天風呂が1つあるが、源泉を使用しているのは内湯のうち1つだけ。茶褐色のにごり湯がかけ流しなのだが、あふれる量が少なく、また子供がばしゃばしゃ騒いだり、泳いだりするので、残念ながら清潔感は感じられない。源泉を使用していない湯船では塩素臭がぷんぷんする。衛生のためしょうがないとは思うが、有名な温泉地だけにちょっとがっかり。

風呂から出て休憩室に戻ると、大宴会のあとの雑然とした光景が広がっていた。ビールやチューハイの空き缶が散らかしたままで熟睡している人がいると思えば、ずるずると酒盛りをする人たちもいるし、元気な子供たちは騒ぎまくっている。まさに無秩序そのもの。うるさくてたまったもんじゃないが、寝ないわけにはいかないので、じっと我慢して目をつぶる。アイマスクと耳栓は必需品である。ETCの夜間割引を狙っているのか、夜中に荷物をまとめて帰っていく人がいる一方で、夜中に訪れる人もいる。休憩室を消灯しないのはそのためか。せめて減灯くらいはしてほしかったが。

黄金の湯館パンフレット
(黄金の湯館のチラシ)

ほとんど眠れないまま翌朝退館。「24時間を超える滞在はお断りします」といった張り紙があったのだが、退館時にはその点についての確認をせず。朝から「一杯やるか?」なんて言ってるグループもいて、そのうちの1人が「自分、24時間超えちゃうんですよ」と返答していたが、いくら一時退館ができるとはいえ、24時間もここで何をして過ごしていたのであろうか。680円でどの程度満喫できるかは人それぞれである。このまま無秩序な光景を黙認して評判を下げてしまうより、世間並みに深夜料金なりを徴収して一定の評判を確保するほうが懸命だとは思うが。庶民の味方のようにも感じるが、680円というのはどう考えたって安すぎる。

伊香保グランドホテル黄金の湯館
源泉/伊香保温泉(ナトリウム・カルシウム−硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉)
住所/群馬県渋川市伊香保町伊香保550 [地図
電話/0279-30-4100
交通/JR上越線渋川駅よりバス20分「見晴下」停前
     関越自動車道「渋川伊香保」ICより約20分
料金/大人680円、子供300円(3歳〜小学生)、幼児無料(3歳未満)
     受付時間21:00〜翌8:00入館の場合は大人980円、子供500円
時間/10:00〜翌9:00(受付は10:00〜翌6:00)、定休日なし

(追記-2008/08/10)
2008/05/03より受付時間21:00〜翌8:00入館の場合は、
大人980円、子供500円に料金が変わりました。
遅くなりましたが、上記概要欄を訂正しておきました。

(追記-2010/11/23)
ホームページで確認したところ、今年6/1より受付時間が変更になっています。
いままでは毎週火曜日定休でしたが、定休日なしになりました。
※現在は↓が正しいです
時間/10:00〜翌9:00(受付は10:00〜翌7:00)、定休日なし

黄金の湯館パンフレット黄金の湯館パンフレット