城堀湯駅から徒歩圏内の住宅街に銭湯感覚の公衆浴場がある。湯河原温泉街に行かなくても温泉が堪能できるので、幕山へのハイキングやドライブの途中に寄るのにもちょうど良い。そんな「城堀湯」なのだが、いかんせん町の銭湯よりも質素。

湯河原駅を降りるとすぐ目の前の建物が商工会の事務所。その隣の駐車場の角を東に曲がり、御庭公園の前を通り過ぎてしばらく歩いていくと城堀湯の建物が見えてくる。このあたりにあった旅館はいずれも廃業し、跡地には大規模マンションの新築ラッシュ。

入口を開けると、フロントっぽくカウンターになっているのだが、おばちゃんは奥にある部屋から出てきた。料金はメモ書きのような感じでさりげなく貼ってある。
脱衣所にはロッカーは12個。鍵を付け替えるたびに、番号をマジックで何度も書き換えているようだ。ほかにはプラスチック籠と体重計、タイルづくりの洗面台、そして椅子が2つ。内装も備品もくたびれている。

浴室は7〜8帖の広さ。カランが4つ並び、もちろんお湯と水は別々。ビックリするくらいの熱湯が出てくる。端っこに小さな湯船。3〜4人が入ればいっぱい。なかなか威力のあるバイブラ湯(看板によるとバイブ健康湯)なので、お湯はかなり熱め感じる。高い位置に明り取りと湯気を逃がすための窓があり、さらには小さいながらも天窓が付いている。

地元の高齢者の憩いの場となっているようで、ひっきりなしに客がやってくる。カランが4つでは足りないようだが、知り合いどうし譲り合ってうまく使っている。斜向かい建つ新築マンションは温泉大浴場つき、しかも岩風呂などを計画しているようだ。すぐそばには庶民的な公衆浴場があるというのに。新住民対旧住民というわけではないが、いつまでもこの雰囲気のままでいてほしい。

城堀湯
源泉/湯河原温泉(ナトリウム・カルシウム−塩化物・硫酸塩泉)
住所/足柄下郡湯河原町土肥1-12-5 [地図
電話/0465-62-2298
交通/JR湯河原駅より徒歩4分
料金/大人300円、子供150円、幼児60円
時間/13:00〜20:30

(2010/01/11追記)-----------------
2009/12/1をもって廃業したそうです。